ちょっと待ってプレイバックで、生ビールに口に付ける前までは、まるで修行僧の様に我慢をして水を一滴も飲まずに待っています。よっぽどの憧れている美女にでも呼び止められない限り、人に呼び止められ様ものならば、張り倒したくなるほど、切羽詰まっている状態です。それもそのはず、昼過ぎから、水分は取らずに、喉を乾かしてカラカラの状態です。
そんな極限状態だからこそ、極上の生ビールを飲みたいものです。ここでぬるいビールでも出された日にゃぁ、最悪中の最悪。そんな店にはもう二度と行かないことでしょう。
幸いにも、美味しい生ビールを飲んだことしかない幸せ者です。
そんな幸せを手に入れる様に、美味しいビールの注ぎ方をまとめてみました。
知ってビックリなんですが、飲み屋の生ビールと酒屋、スーパーで買う瓶ビール、缶ビールの中身は同じらしいです。どうしても信じられないので、らしいと言う表現をしています。
例えば、キリンの一番搾りは生ビールの樽ビール、瓶ビール、缶ビールの中身は全て同じキリンの一番搾りだと言うのです。鮮度は違います。消費の多い樽ビールは回転が早く新しいビールが飲めます。
さてそれでは、生ビールの美味しい注ぎ方です。
生ビールの樽ビール、瓶ビール、缶ビールでも同じですが、泡が飲み心地をまろやかにしてくれます。喉ごしスッキリでゴクゴクと飲めるのは、泡のおかげだったのです。
若い頃は、泡が無い方がビールの量が多く飲めると勘違いしていて、グラスに注ぐ時に出来るだけ泡が立たない様にしていた頃もありました。
確かに飲み屋の生ビールは泡が立っています。この泡がビールが空気と触れて酸化して劣化するのを防いでくれる役目をしてくれていて、口を付けた時の舌で味わう旨味を際立ててくれているのでした。クリーミーな泡だと、スーッと喉に通って行きます。
泡が無いと、キンキンの冷たさは直に伝わりますが、味わいはあまり感じません(でした)。
粗い泡だと舌に刺激があり、何か刺々しい飲み心地となります。
きめ細かく密度が高い泡がクリーミーな味わいとなります。
ビール7の泡3の7:3が、美味しさの黄金比と言われていて、見た目にも美味しそうです。
生ビールのサーバーは注ぎ口のレバーを手前に引くとビールが出て来て、奥に押すと泡が出る仕組みになっています。ビールを注いで、仕上げに泡で蓋をする様に出来ると、あなたもビール・マイスターになれます。
樽ビールは、専用のサーバーが無いと、きめ細かいどころかビール全部が泡になっちゃいます。
理由は忘れましたが、会社の寮暮らしの時に友人が樽ビールを貰って来ました。10ℓ位の樽だったと思います。冷蔵庫の中身を全部出して(と言っても氷と牛乳くらい)、冷蔵庫の温度を一番冷たくして、樽ビールを一晩冷やしました。
翌晩楽しみに部屋に帰って来て生ビールの山分けだぁ~と風呂に入りました。いつもより余計に湯船に浸かって汗をかいたのは言うまでもありません。10ℓを3人で飲んだら、1人3.3ℓ。500㎖缶だと6本半位。そんなに飲めるかなと少し心配をしながら、部屋に戻り。樽生パーティーの開始です。
キンキンに冷えた樽生をかついで、そ~っとグラスに注ぎます、泡ばっかり。もっとそ~っと注ぎます、泡ばっかり。何度も挑戦しますが、泡ばっかり。今文章にしていて思ったのですが、泡ばっかりのグラスを少し置いておけば、泡が無くなったんじゃないかな・・・。その時はビールが飲みたい一心で泡を窓から捨てて一口位残ったビールを飲むだけでした。
樽生が空になり、結局、自動販売機で缶ビールを買って飲んだ、なんとも寂しい悲しい夜でした。
瓶ビールでも缶ビールでも理屈は同じ、きめ細かい泡を作ってあげれば、ビールがとびきり美味くなります。グラスの奥を目がけて勢い良く泡立ててビールを注ぎます。グラスの8分目位で一旦注ぐのを止めて、泡が半分くらいになるまで少し我慢して待つ、泡が半分位になったら、泡を崩さない様にグラス一杯まで注ぐ。泡が圧縮されて密度が高くなって、クリーミーな味わいになります。
クリーミーな泡を作るのに、ついつい失敗して、沢山飲んでしまうのは、ご愛敬です。
瓶ビールの注ぎ方で職場の先輩女性が後輩に教えていたのが、ラベルが上になる様にして両手で持って注ぎなさいと指導していたことがありました。新入社員の女の子が自己紹介をしてビールを注いでくれました。緊張しながらもしっかりと自分の名前を言っていました。東北なまりが可愛かったのですが、ぬるいビールでとってもがっかりしたことの方が記憶に残っています。
小瓶でグイっとやるのもアメリカ映画みたくて格好良いですし、冷蔵庫から出してプシュッと缶ビールを開けてそのままグビッグビッと言うのが好きな人もいるでしょう。ひと手間かけてグラスに注いで泡を楽しんで飲んでみて下さい。きっとビールがもっと美味しくなりますよ。
野球場で飲む生ビールが美味しいのは、若い可愛い女の子が注いでくれるからだけじゃなかったのです。
➜神泡で乾杯
【関連する記事】